観光業への地元の期待
マーシャル諸島・マジュロから日本への道中に、コンチネンタル航空アイランドホッパー線でトラックに途中下車をした。 日本の豪華客船「飛鳥2」によるオセアニアクルーズのコースとして2007年2月23日にトラックへ寄港する。その現地受け入れ準備をするのが、今回の私のミッションである。
写真は前回2004年のワールドクルーズ・チューク寄港時の飛鳥
私はマーシャルでの飛鳥寄港の時のお世話をメインでやらせていただいているのだが、この関連でミッドウェイ・タヒチ(ボラボラ島・パペーテ・モーレア島)、イースター島、チュークにも飛鳥の仕事によんでもらった。
写真は日の出とともにモーレア島へ入っていく時の飛鳥。船上から撮影。
クルーズの仕事は寄港日が最高の成功に収められるように、1年以上前から準備に取り組んでいく。無事に寄港を終えた時、受け入れ側としては大きな達成感があり「とても大変だったけどまたやりたい」という気持ちにもなる面白い仕事だ。しかも、マーシャルとかトラックとかそんな小さい島にとってクルーズ船の寄港は、島をあげての一大イベントであり、島のみんなで「学園祭」を作くりあげていくような感じでやっていく。
今回(2007オセアニアクルーズ)のチューク寄港は飛鳥2になって初めての寄港。前回は飛鳥(1)での寄港で、乗客数が350名ほど。今回は船が大きくなったこともあり650名のほぼ満室状態でやってくる予定だ。
そうなると、受け入れをする現地のスタッフにも気合が入る。私は到着して早速チューク州の関係者を集めたミーティングに入った。”絶対に寄港を成功させたい”という強い気持ちで皆が真剣に話をぶつけ合う。
クルーズ寄港の成功の裏には、こういった現地の人達の熱い期待と協力が不可欠なのであるのだ。
なぜ地元の人達が観光客が来ることにそれほどまでに期待するのか?日本に住んでいると観光とは”行く人”の場合が多く、”迎い入れる人”のケースが少ないからあまり実感がわかないかもしれない。観光が産業として地元に与える経済効果というのは相当に大きく、例として今回JALチャーターマジュロ直行便が就航することによりマーシャル諸島への経済効果を試算をした数字を紹介してみよう。
月に1本・年に計12本飛べば少なく見積もっても5億円の経済効果が国に起こる。金額的に見れば、日本だと中小企業一社の売上にも満たないかもしれない。しかしマーシャルの国家予算が約145億円規模ということを考えると、国家予算の3%が追加されるほどのお金が島に流通することになる。これは非常に大きなインパクトと言える。また、現在マーシャル諸島の失業率は34%と高い数値であるが、JALチャーターでマジュロ直行便が1年間飛べば雇用機会が創出され、5%近くの就業率を上げる効果を見込む。資源のない小さな島国では、観光産業というのは重要な経済資源なのである。
ただお客様が来れば良い、というものではない。お客様に満足してもらって、その地域やそこの文化を気に入ってもらうことが大事である。これを地元住民に理解してもらうのは、少しずつお客様と地元の人が出会う機会を増やしていき、観光業からの影響を地元の人に還元していかなければならない。

これはイースター島にあったお土産屋さん。私もお土産に一個買って帰った。